自意識過剰な生活

「私が楽しくて充実した人生」を送るための毎日

「ナイルパーチの女子会」柚木麻子 と私の友人関係について

なんとなくストーリーは知っていたけど、実際に読んでみてここまで衝撃的なストーリーかとびっくりしたよ。

「ランチのアッコちゃん」と書き手が同じだとは思えないほど。どっちが本人に近いのか分からないけど、どっちの面も持っているんだろうな。

いやーとにかく怖かった。。

 

ナイルパーチの女子会

ナイルパーチの女子会

 

 

お嬢様で美人でエリートコースを歩んできたエリコと、父子家庭で育って結婚後専業主婦になって主婦ブロガーとしてちょっと話題になった翔子。このふたりが出会ったことで始まる物語なんだけど、このエリコがとにかくエキセントリックで、読んでいるだけで戦慄が走るくらいの恐ろしさ。これモデルになった人いるのかな。うっかり現実世界でこんな人と遭遇したらどうしたらいいのか、解決策が思いつかない。。

 

翔子と出会わなければ、エリコはこの病的な部分は顕在化しなかったのかもしれない。でもエリコの内側には高校生の頃からしっかりそれが存在していたから、何かがきっかけでこういう事態にはなっていたと思うけど。

そしてうっかりエリコ化していく翔子にも怖さがあったな。早めに自分で気づくことができたから被害は少なかったけど。

こういう狂気はうっかりすると誰もが心の底から現れて暴れ出すのかもしれないな、と思った。自分だけは大丈夫とか、自分だけは違うんだ、とか思わないようにしている。

 

実際に私もふたりとの共通点はある。社交的な割に、深いところでの人付き合いが苦手で、いまだにすべてをさらけ出せる同性の友人はいない。家族には一番甘えられるが、家族だからこそ言えないことがたくさんある。最近ではずっと続くかもしれない友人関係よりも、すぐに終わるであろう恋愛関係の方がよっぽと楽だと思うくらい。

 

実は私には、これまでも環境の変化や気分によって、自分から友人関係を遮断してきたため、休日に気軽に誘える友人がいない。孤立しているわけじゃないし日常生活は普通に過ごしているので、誘おうと思えば誰かは見つかるだろうけど、そこまでして誰かといるのならひとりが気楽だ、と思ってしまって一向に仲の良い友人ができない。会社とか習い事とか何かで繋がっていないと、会う理由すら見つからないのだ。

 

本作でもエリコは指摘されていたけれど、私は相手を信頼していないくせに相手に求め過ぎなんだと思う。でも私は執着するっていう汚い部分を見せるくらいなら諦めた方が楽、と思っているからエキセントリックな行動には発展しない。ただ、自分と一番仲が良いと思っていた子が他の子と遊んでいたり、自分が知らないことを他の子と共有していたりすると嫉妬を感じることがある。あとは、自分とだけの思い出を他の子がいるところで軽くほのめかして、私が一番仲良いのよアピールすることもある。。

 

そうだ、私もエリコの要素は強く持っている。

ただ自覚しているからこそ表に出さないように気をつけているのだが、気をつけるあまり人と関わることを避けてしまっているみたい。

 

そういえば、子どもの頃から周りの空気を読んで自分の意見を言うのが苦手だった。自分はいない方がいいのではないかと思うこともあったし、家の外では良い子にしていなくてはという義務感もあった。いろんなことが複雑に影響して今の自分になっているからきれいに分解はできないけど。

 

自分のことを見ているように感じたから、やけにこのストーリーに恐怖を感じたのか。。

年々ひとりでの過ごし方がうまくなってきたし、元々ひとりでいることが好きなんだけど、やっぱり上辺だとしても友達同士で楽しく騒いでいるのを見るとうらやましいと感じる。

これから友達できるかな。まずは相手を信頼するところからだな。