自意識過剰な生活

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「謎解きはディナーのあとで」東川篤哉

こちらも図書館で借りて読んでみた。小説がすごく売れて、ドラマか映画化されたのでタイトルは知っていたけど、読んだのは初めて。

謎解きはディナーのあとで (小学館文庫)

謎解きはディナーのあとで (小学館文庫)

 

 

章ごとに事件が解決するので読みやすくて、あまり時間をかけずに読めた。第六話まであるので6つの事件が起きるわけだが、なんとなくそのすべてにおいて殺人に至る動機が弱くないかしら、と思ってしまった。

その理由は謎解きの場面にあるのかもしれない。主人公の宝生麗子は超お嬢様でありながら刑事として勤務している。仕事で殺人現場に向かい、関係者に事情聴取を行う。しかし、事件は解決できない。そこで頼りになるのが主人公の執事である影山。彼は推理力が優れていて、主人公の話を聞いただけで犯人と殺害方法を簡単に当ててしまう。というわけで、ラストはお嬢様のお屋敷で、お嬢様と執事の会話で犯人を特定して終わるというパターンが多く、犯人の動機などはあくまで予想したところで終了してしまう。とてもスマートなんだけど、私的には最後に犯人が取り乱すところとか観念して動機を語るところが意外にも好きだったらしく、この展開は少し物足りなく感じた。

全体的に犯人たちの動機もさらっとしているように感じたのだが、ひとつどうしても納得いかないのがあった。二股どころか四股していた男性が女性に殺される話で、その原因が身長をサバ読んで高くみせていたためというもの。昼間はシークレットブーツでごまかしていたが、良い雰囲気になりそのまま彼女を自宅に招いたところ、本当の身長がバレて女性に殺されてしまう。それくらいの動機で殺しちゃうなら、私は人生で何回殺人を犯さなきゃいけなくなるんだ。