旅の効果
窓が大きい部屋だった。外には木が茂っていて、その遠くには山が見える。ときたま優しい風が入ってくる。
これで静かだったら良かったのかなとも思うけど、外では何かの修理をしているようで、昨日から明るい時間だけ、トントントン・カンカンカンと作業音がずっと聞こえる。
このちょっと惜しいところが私っぽい。
静かで何も音がしなかったら、それはそれで寂しくてテレビをつけてしまうかもしれない。人がいるってわかるからちょっと安心している気がしないでもない。
普段と違うベッドに浴衣、勝手が違う部屋の配置に若干の違和感を感じつつも、新鮮さが気持ち良い。
家に帰ったら帰ったできっといつもの部屋に安心感を感じるんだろう。
そんな確認作業になるのもいいな。
ちょっと自分の部屋を改造したくなった。
旅館の料理が夜も朝もおいしくなかったので、美味しいごはんの大切さを再認識した。美味しい料理を自分で作りたくなった。
すぐに座っていろいろできるように、机と椅子を準備したくなった。
陽の光を浴びて起きる朝がすてきなことに気が付いた。
この季節とても気持ちの良い季節なんだな。