自意識過剰な生活

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「かわいい結婚」山内マリコ

山内マリコさんの本は十分、と思ってたけど、これがあったのを忘れていた!

「アズミハルコは…」、「ここは退屈…」ときて3冊目の本作、私はこれが一番好きだと思った。

 

かわいい結婚

かわいい結婚

 

 

理由は一番マイルドだから。アズミハルコもここは退屈も、とにかく田舎の閉塞感がリアルで窒息しそうになるし、自分の地元との既視感で登場人物がもうひとりの自分かのように思えてくるから気持ちが悪くなるという効果がありまして。

この「かわいい結婚」も都会と田舎の対比は描かれているものの、どこかファンタジーな要素が混ざっていて、前作と比べてもすごくマイルドになっている気がする。男性なのに目が覚めたら女性になってて、次の日には男に戻ってるなんてちょっとびっくりした。あれかな、本人が結婚したからかな?なんて勝手な予想。

でも今回は専業主婦とか結婚とかそういう話題が3話とも関係していたし、そういうのって本人の心境とかとリンクするんじゃないのかなと思ってみたり。

 

最後の話に出てくる女の子ふたりが、就職場所が東京と地元と別れても仲良くしているのを見てちょっとうらやましくも思う。どうにも埋めようのない違いはあるものの、お互いを思い合って行動する様はすてきだ。

私は大学から上京して大学卒業後も東京で働いているし、今後も帰る予定はないけれど、地元の友達とはもう全員縁が切れてしまった。大学生時代や就職して数年くらいはまだ帰省の度に連絡して会うメンバーもいたんだけどな。

 

友人関係の維持もなかなか難しいのよね。近くにいてもうまくいかないこともあるのに、遠く離れていたらなおさら。

 

 

やっぱり本はいい。読書中はその本だけに集中できるから、楽しいしスッキリする。