「君の膵臓をたべたい」住野よる
いつかの本屋大賞かなにかを受賞した作品、だったと思う。そのおかげでタイトルを知っていた。
読んだ。すごくよかった。ひさびさに号泣したよー。
みんなそうだろうけど、まずこのタイトルにびっくり。話の内容が一切想像できない。
実際に、会社で映画化のニュースでこのタイトルの話になったとき、近くにいた女性2人は怪訝そうな顔をした。
とにかくインパクトがすごい。膵臓が臓器なのは知っているけど、何の役割をしていてどこにあるのかも分からない。さらにそのマイナーな臓器を食べたいって言っている。これは、、愛するがゆえに食べたいのか、殺してやりたいと思っているのか、その感情ですらタイトルだけでは分からずいろいろ推測してしまう。
ストーリーとしては王道というか珍しいものではないんだけど、実際に読んでみて、文章のリズムというか雰囲気というか合間?みたいなのが独特だなーと思って。何がどうなのかうまく言語化できないけど、とにかくあんまり似た人がいないなーと思った。
表面的なところで言うと、主役の高校生ふたりの掛け合いがおもしろい。冗談も含みつつ、いわゆる天丼も入り、皮肉や鈍感やいろいろまとめて、頭の良いふたりなんだなーと思った。
こんな会話できる人、いいなー。
主人公が病に犯される話だから、その終わりを当たり前に予想していたら、予想外の事件が起きてまたびっくり。あまりにも無情すぎる最期だったけど、自分で死期を感じて待つ恐怖を思ったら、幸せなときに死ぬのもいいのかなとも思った。
彼らの状況や気持ちは無視して、わたしは常々、できることならいきなり死ねたらいいなと思っている。
まあこんな話だから最後は予想の通り、亡くなった主人公が残して行った日記や手紙で大号泣。あんまりまとまってなくて(そんな風に感じた)、長くても思いのまま書いたような内容で、こっちまで友達が死んだみたいな気持ちがして心が苦しかった。
あーこれは良い。おもしろかった。