「異類婚姻譚」本谷有希子
2015年の芥川賞受賞作。これも気になっていて10ヶ月近く経ってやっと図書館予約の順番が回ってきたもの。
できれば買っちゃいたいけど、知らない人でかつあらすじにもそこまで興味が持てなかった本はこうやって予約することにしている。じゃないと本で破産するし、買っても置く場所がない。。
この「異類婚姻譚」はホラーだった。
冒頭のまだ穏やかなときから、なんとなく嫌な雰囲気が漂っていた。この作者の癖なのかな、どうにも違和感がある文章で、微妙に不安定というか、何か嫌なことが起こりそうな雰囲気を醸し出す。事件的な怖さではなく、世にも奇妙な物語的な怖さというか。
リズムのせいかな。なんとなくそんな感じがした。
”夫婦って長く一緒にいると顔が似てくる”とよく聞くけれど、そのリアル版の話。主人公の女性とその旦那の顔がどんどん似てきて一体化してしまうってホラー。とにかくホラー。怖い。旦那が怖い。それを普通と感じる主人公も怖い。
結局主人公は一体化することに不安は感じつつも受け入れて、旦那と一体化することを選ぶんだけど、旦那はその後一輪の花になりたかったらしく、ある日急にお花になる。そしてそのお花を群馬に植えにいく。お花はとても綺麗に咲き誇る。
って怖くない?ちょっと私には最後理解できなかった。ハッピーエンドかどうかもよく分からなかった。。
なんだろね。夫婦って一体化するものなのかな。
作中に蛇ボールみたいなものが例えで出てきたけど、二匹の蛇がお互いの尻尾を食べ続けて顔がふたつ残ったボールみたいになる。そして最後はお互い食べ切ってなくなるらしい。
夫婦ってそんな風になるの?ちょっと結婚って嫌だなと思った。