自意識過剰な生活

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忘れられないバレンタインの思い出……らっきょうマフィン事件

そう、今年もバレンタインデーがやってきた。

残念ながら現在独り身のため、プライベートであげる人はおりませぬ。

前職は知り合いだらけの会社で何もあげなかったけど、今は小さいとはいえ組織であるため、女性全員から男性全員へバレンタインの贈り物をあげるという儀式が行われる。

 

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基本的にはビジネスバレンタイン反対派の私。何もやらなくていいんじゃないですかー誰も期待していないですよーと小さく抵抗してみた。しかし大きな流れには逆らえず、何か軋轢が起きるくらいならこれまで通りやっておいた方がいいんじゃないかという、前年踏襲という分かりやすい形で決着。仕方ないよね、変えようとする方が力がいるもん。

 

まあ買い出しなどは若手にお任せして、お金を出せばいいだけなんだけど、ふとバレンタインにまつわる苦い思い出が蘇った。

 

 

社会人になってからのバレンタインで忘れられないのは、当時付き合っていた先輩に渡したお菓子。そう、気合いを入れてマフィンを焼いたの。

そこまでは良かったんだけど、恥ずかしさもあったのか、らっきょう好きの彼氏にいたずらにと思って、そのマフィンにらっきょうを入れて焼き上げるという奇行に走った私。しかもふたつのうち、ひとつだけをらっきょう入りにしようと思っていたのに、なぜからっきょう入りの方がうまく焼き上がり、ふたつともらっきょう入りを渡した私の判断力の欠如。

まさに悲劇…!

 

マフィンという、チョコと違うお菓子に、相当難しいスキルが必要だと思っていた彼氏は予想以上に喜んだ。食べ進む彼氏をニヤニヤしながら見る私。らっきょう部分を食べた彼氏のテンション、一気にだだ下がり。あまりのまずさに、それまでの笑顔が一気に消え失せ、表情がなくなった。。

もうひとつには入っていないか確かめられて、入っていないと言ったものの、もう信じてはくれなかった。そう、もうひとつにもらっきょうが入っていたからね。

 

いたたまれなくなった私は、もうひとつを自分で食べた。

本当に、激マズだった。ふたりしてテンションが地に落ちた。そして私は終始謝りっぱなしだった。

 

ここまでテンションが落ちた彼を見たのが初めてで、これがきっかけで別れられるのは嫌だと思って必死に謝りまくった。

”まずくてテンションが下がっただけで、これのせいで別れようとは思わない”と彼は力なく笑っていたけれど、とにかくらっきょう入りマフィンにはそれくらいの威力があったことだけは覚えている。

 

これが原因で別れはしなかったけど、渋い思い出だよ。

私のバレンタインの思い出はそれくらい。