自意識過剰な生活

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ショートショートの神様・星新一の短編集

星新一おもしろいよね、と何人かから聞いたので読んでみた。

 

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ショートショートと言えば、星新一

ショートショートとは、短編小説よりも短い小説のこと。

文字数の定義は人によって若干異なるけど、1万字に満たないものがその範囲なのかな。

主人公への感情移入よりも、構成の巧さが際立つ作品が多い気がする。

個人的には、こんなに短いのに、最後の最後に思いっきりひっくり返されたりすると爽快。やられたーって思う。

あとはSFとか不思議な話とか、くすっと笑えたり皮肉だったりの要素が入っているのもショートショートだと読みやすい。

 

星新一は1000編以上の作品を発表しているそうで、短いとはいえよくそれだけのアイデアが思いつくよね。

文庫本だとたくさんあるので、別の人が星新一作品を再編した分厚い本を借りてみた。。

 

一応代表作と言われている作品が入っているものをセレクト。

この2つが入っているものを選んだよ。 

 

「ボッコちゃん」

 

「午後の恐竜」

 

 

どちらかと言えば「ボッコちゃん」の方が好きかな。あーなんか悲しいねってお話。

「午後の恐竜」はどうにも父親の亭主関白っぷり?がイラっとしたなぁ。(←全然話の内容と関係ない…)

 

文字数も幅があって、1,2ページで終わるような短いものもあれば、上記2作品は少し長めな作品なのかも。

どちらにしても短いので、サクッと読めてしまう。

男女の関係だったり、宇宙船が出てきたり、内容も様々でおもしろかった。

 

読書に求めるもの

でも今回思ったのは、ショートショートとか短編って、短くてすぐに読める代わりに、感情移入できる余地とか時間が少なくて、心に突き刺さるような刺激は少ないなということ。

例えば、最近読んでる「十二国記」だと、登場人物に感情移入して辛くなったり、自分の経験を思い出したり、登場人物の幸せを願ったり、そういう心の動きが激しくて、それが楽しかったりするんだけど、ショートショートだとそこまで感情移入することは難しい。

 

そして個人的には、その感情移入とか主人公を深く理解することが、自分の求めている読書体験だってことに気付いた。

本を読んで、泣いたり怒ったり喜んだり、私も一緒に体験したいんだ。

 

たしかに思い返せば、”星新一いいよー”って勧めてた人も、誰もタイトルは言ってなかったな。本当に読んだのかな?笑

ただ、読んでもタイトルを忘れたり、”あのロボットが出てきて、オチがうまいやつ”とかざっくりとしか覚えてないのかもしれない。

 

長編は長編で、読み始めるのにも読み終わるのにも体力がいるから、とにかく何か読みたいって言う時には短編やショートショートがいいのかもしれないな。

すぐにオチまで読み切れるっていうのは、良い点だと思う。

(私は長編だと先が気になりすぎて眠れないので、先にあらすじだけ検索しちゃう人です…)

 

どこぞの小説講座の先生が、長編より短編の方が難しいって言っていた意味が分かった気がする。聞いたときは、長編のが難しいだろって思ってたんだけどね。

短い文章の中で、巧いオチをつけるってかなり難しい。

あれこれ上手な比喩とか描写も使えないし、登場人物だって限られるからね。だらだらと長く書けた方が楽なのかもしれないと思った。

そんなことにも気づけて、意外な点で勉強になった。