身代わりになってくれたの?
ものづくりがしたくて、陶芸を習いに行った。体験レッスンで作ったものを焼き上げて、後日郵送してくれる予定だった。宅配便の段ボールを受け取ったときに、カチャカチャと音がして嫌な予感がした。
案の定、段ボールを開けたら私が作った器がまっぷたつに。
欠けたりする程度ではなく、完全にまっぷたつ。
気持ちよすぎる。なんなんだ。
意外にも少し凹んだ。
でもすぐに思い出したのが、身代わりという言葉。
本人に何か不幸なことが降り掛かろうとしているのを、何かが身代わりになってその不幸を引き受けてくれる、とかいう都合の良い考え方。
都合が良くてもなんでも、今は完全に身代わりだと思っている。
本当はもっと重い不幸が私の身に降り掛かろうとしていたけど、それをあの器は自分の身をもってかばってくれたのだと。
ありがとう、器。
ちなみに彼に私の器だけ割れたことを伝えたけどそこはスルーされて、私が送った彼の器の写真を見てとても喜んでいた。もうちょっと気にするとかしてもいいよね。
おい、器。その翌日くらいから連絡が途絶え始めたんだから、身代わり力が足りなかったんじゃないか?もっとがんばってくれよ。