「夢を売る男」百田直樹 第一印象最悪な男が、最後はナイスガイに見えてくる
百田尚樹もけっこう好き。
ひさびさに読んだこの本だけど、やっぱりおもしろかった。
中小出版社の丸栄社では、著者と出版社が費用を折半し出版するジョイントプレスという事業を展開している。
牛河原部長は素人の著者の扱い方をとにかく心得ている。
どこを褒めれば喜ぶのか、上げて下げて、信頼させて、出版させてくださいと言わせるのが本当に巧みで最初の方は完全に詐欺ビジネスだと思っていた。
でも話が進むうちに、牛河原の本や出版に対する真剣な思いや、ライバル企業の完全詐欺ビジネスを告発することなどを通して、この人めちゃくちゃかっこいいじゃんと気づく。
とどめに一発、部下の飯島がどうしても出したい本をジョイントプレスではなく丸栄社として出版することを即決するし、すでに原稿読んでるし、惚れてしまう…という終わり方だった。
冒頭から常に鼻くそをほじっていた牛河原が、最初のマイナスイメージから最後は超絶ナイスガイになっていて、ほんとにおもしろいな。
小説家や出版業界、文学賞の真実、小説家になれると思っている素人の考えなど、とにかくばっさばっさ切っていくのもいい。
分かるーって思うこと多い。。
百田尚樹は「モンスター」とか「幸福な生活」、「プリズム」は読んだことがあって、どれもすごくおもしろかった。
時代物ってあんまり好きじゃなくて読んだことないんだけど、「永遠の0」とか「海賊と呼ばれた男」はちょっと気になるな。