「中国の見方がわかる中国史入門」福村国春 映画を10本観たかのようなおもしろさ!
読書でひさびさのヒット。
しかも珍しく小説ではなく、なんていうんだろ、歴史の本?中国史の本?世界史のジャンルになるのかな。
大体これ系の本は読んでも「ふーん」で終わるんだけどこれは全然違うものだった。。
世界史の中でも中国史についての本。
この本は、たしか友人に勧められたものだったはず。
日本でも戦国時代の武将の話や勢力争いは人気が高い。
同じように中国の三国志あたりの争い事や偉人たちの名言はみんな好きで(特に中年以上の男性!)よく知っている。
キングダムも人気だし、三国志は読んでおいた方がいい!なんて何度も言われてきたけど、どうしても手が伸ばしにくかった。。
それを話していたときに、友人の一人が全体感を摑むのにこれが分かりやすかったと紹介してくれた本。
それをAmazonのほしいものリストに入れて1年以上放置していたところ(笑)、ふと思い出し購入してみました。
殷・周の時代から習近平が登場する現代までの中国の歴史がざざーっと説明されている。
どうしても教科書的な説明になってしまうので、人によっては何十巻になっても漫画の方が分かりやすいという人もいると思うんだけど、なぜか今の私にはこれが刺さった…!
まずエピソードがどれもおもしろい!
とにかく中国の王朝を巡る争いが激しくて、やることが残虐すぎる!!
何百年前のことになるともう何も残ってないし伝説レベルの言い伝えしか残ってないものもあるのかもしれないけど、まるで漫画やファンタジーの世界。
というかこういうエピソードを元に漫画や映画を作っているから逆なのか。。
覇権を握るには皇帝の一族や周辺の人を皆殺しにしないといけないルールでもあったんですか?というくらい人が死ぬ。。
王朝の復興から安泰期に入ってしばらくすると必ず愚王が出てきて没落、臣下たちが下剋上で王朝を乗っ取る、を毎回繰り返している!
段々と歴史を後世に残して子供の頃に勉強できるようになるんだけど、なぜかみんな同じ一途を辿る。
おもしろいよねー、どうしてかそうなるんだよね。
あとはどの時代も賢帝・賢王が出てきては愚王がすべてをダメにして、その裏には悪女が潜んでいて、賢い臣下が情勢を見ている、なんて構図も一緒。
どの時代でも映画にできるおもしろいエピソードがあるんだよねー。
興奮しすぎて読むのにめちゃくちゃ時間がかかった。
三国志とか封神演義とか明らかに中国史を元にした漫画もあるし、エッセンスを取り込んだ作品も含めたら数えきれないくらいになるかもな。
その魅力がちょっと分かった気がする。
あとは高校では世界史をとっていたけれど、近代・現代になるとつまらなく感じて苦手だったんだけど、この本で読む中国と世界の関係はおもしろかったな。
中国が日本を敵とする理由がよく分かった。
戦争系の話はあまり見たくなくて避けていたけど、他の国から日本を見ると少し客観的になれるのかもしれない。
けっこう日本も悲惨な事件を起こしているんだよね。
今に続く出来事だからこれもまたおもしろいし、知っておかないといけないことね。
なぜ急にこんなにおもしろく感じたのか不思議だなあ。
福村国春さんの書き方がいいのかな。
史実をなぞるだけでなく、「中国の見方」としてポイントを説明してくれているんだけど、文章自体は全体的にかためというかきっちりしているんだけどな。
淡々と愚王の残虐事件や女媧についてを説明しているのがハマったのかな。
「人豚事件」とか、もうこのワードが頭から離れない…怖すぎる。
歴史おもしろいかもなー。
いやはやひさびさにハマった本でした。
福村さんは中国史以外にも「世界史の見方」の本も出版されているみたい。
次はこれかな。
歴史の見方がわかる世界史入門 | 福村国春 | 世界史 | Kindleストア | Amazon
古い時代の方が好きなのはファンタジーみを感じるからかしら。
古代ヨーロッパとか大好き…!