「熱帯」森見登美彦 不思議な不思議な物語だった
これね、読み終わった。
すごく不思議な物語だった。
まるで”狐に化かされた”みたい。。
「不思議」の一言に尽きる…
読んでみたけど、一回ではちゃんと理解できていない気がする。
読んでる最中もこの感想だったけど、読み終わってからも変わらない。
ずっと夢の中みたいな、迷子みたいな、出口が分からないみたいな。
不思議に思った理由として明確な点は、主人公がどんどん変わっていくから。
場面によって視点を持つキャラクターが変わるってことはよくあることだけど、たいていは主人公は一人。
でもこの本は、どんどん主人公が移り変わっていって、最初と最後は違う世界になった??と分からなくなる。
冒頭は著者の森見さんが出てきて話が始まり、次に森見さんが出会った白石さんの話になり、さらに白石さんの知り合いの池内さんの話になり、ここからファンタジー感・異世界感が強くなり、最後は佐山に収束しつつ、現実世界に戻ってきて、冒頭の世界と異なる??とよく分からないラスト。
これは全然理解できてないのかもな。。
考察サイトとか事前情報なしで読んだけど、難しかった。でもおもしろかった。
不思議だ不思議だ、と思いつつ分厚いハードカバーを読み切ることができたし。
500ページ超だもんね。途中で諦めるかと思ったけど、いけたわ。
物語のマトリョーシカ
これ、千夜一夜物語、だと思っていたけど、そういう場合もあるらしい。
シンドバッドが有名だけど、これに関しての知識があればもっと楽しめたのかなと思った。
他国で翻訳される際に、超意訳されたり、原作にない話が追加されたり、どんどん進化していったらしい。
この「熱帯」も終わらない物語として、それぞれ読んだ人の中で「熱帯」が続いていくという話なのかなと思って、、そう理解した。(自信ないけど)
物語のマトリョーシカ、って千一夜物語を表現していたセリフがあるんだけど、これはおもしろいなと思って。
「千一夜物語」は、ある人が物語を語り始める。すると、その物語の中の登場人物が物語を語り始める。さらにまたその中で登場人物が物語を語り始める、、として永遠に終わらない物語が続いていくっていうお話らしい。
なるほどねー。おもしろい!
千一夜物語も読んでみたくなった。
古典や海外作品も読んでみないとね。
いろんなバージョンがあるけど、これは作品中にも出てきていたはず。
ガラン版、岩波新書。シリーズでたくさんあるみたいー。。