「フーガはユーガ」伊坂幸太郎 切なくて引きずった…
伊坂幸太郎の作品をひさびさに。
発売当時、電車広告で見かけたことがあって、ずっと覚えていたみたい。
双子の男の子が主人公の不思議な物語
タイトルを見ても内容が想像できなくてずっと気になっていたのかもしれない。
”フーガ”も”ユーガ” も何の言葉かさっぱり。
昔の歌に〇〇のフーガ、とかあったような。。
文字で見ればすぐに解決するんだけど、主役の双子の名前だった。
風我くんと優我くん。
ただこの双子、小さい頃からなぜか誕生日に瞬間移動で入れ替わるという不思議現象あり。
もちろん周りには秘密にしていて、瞬間移動を使いながらあれこれ起こる問題を解決していくお話。
伊坂さんの作品を全部読んでいるわけではないけれど、私が読んだいくつかの本の感想としては、こんな感じ。
・必ず殺し屋とか人を殺そうとする人が出てくる。そのためけっこう人が死ぬ
・舞台は現代だけど、非日常的な事件が起こったり不思議な人物が登場する
・最後はハッピーエンド、無事に問題が解決する
・構成や展開が複雑でおもしろい
今回もこれらのおもしろさががっつり入っていて、エンタメ小説としておもしろかった。
おもしろい。ただしその後数日間は思い出しては切なくなった
主役はかなりひどい目に遭うけど、最後はすべて問題が解決する!と思っていたから、途中辛い部分もあったけど読み進めていたのだが…。
個人的にはラストが切なくて切なくて、うわー!と落ち込んでしまったー。
悲しいよね、悲しいよ。
たしかに最後は問題が解決して未来に続く明るい道も見えているんだけど、だったらなんで!?って思っちゃって。
みんなでハッピーなラストになってほしかった。
だってこの双子は小さい頃から散々な目に遭ってきてたし、好きな女性とその子どもとも離れないといけなくなったのに、、なぜーーーー!って悶絶。
無駄な事件とか無駄な登場人物がいない
冒頭から終盤までインタビューに答える形で、昔話をしていくスタイル。
何でだろう、と思ったけど、最後にちゃんとその意味が分かる。
昔話の中でも本筋には関係なさそうな登場人物や事件が出てくるけど、後半にちゃんとその理由が分かるのがすごい。
隠しているわけじゃないから伏線としては分かり易いものなんだろうけど、個人的には読んでて不思議だなぁと思うくらいの伏線がちょうどいい。
難しすぎると気づかないから。笑
なるほどなーすごいなーおもしろいなーと思った。
あーでもやっぱり最後はハッピーエンドがいいなあ。
あれも必要なことだったと言われるとそんな気もするけど、やっぱりハッピーエンドがいい。
思い出してまたふとしたとき悲しくなりそう。。
kindleはあるけど、文庫版はまだないみたい。