「希望が死んだ夜に」天祢涼 おもしろくて悲しい話
YouTubeで作者が語っていたのを見て、読んでみた。
おもしろかった!おもしろかったけど、悲しいよ。
子どもの貧困について描かれていて、登場する子どもたちはみんな悪い人じゃなくて、でもうまくいかなくて、どうしようもなくて、、みたいな壮大なやるせなさ。
出てくる大人を全員三年くらい寺に出家させたいくらい腹立たしくなったけど、単純にそれで解決するわけでもないのがまた悲しい。
子どもじゃなくても貧困問題とか虐待とか扱った本はちょっと遠ざける傾向にあるのに、あんまり考えずに読み始めたらけっこうしっかり貧困の状況が描かれていた。
おもしろかったし読みやすかったから読み切れたけど、やっぱり最後はそうなるよね。。
何かしてあげられることなんてないじゃないかーってやっぱり絶望。
いや、分からない。
作者はその先に何か希望があると思って書いているのかもしれないけど、そりゃ安易な言葉はかけてあげられるわけがない。
泣きながら読んだ。
文体はものすごく読みやすかったなー、サクサク読めた。
続編になるのかな、「あの子の殺人計画」も気になるけど、、こちらは親の虐待がテーマらしい。
怖いテーマだから避けるっていうのも自由だけど、読んでみると今まで知らなかった情報や状況も知ることができて意味はあると思う。
思うんだけどちょっと考えちゃうわ。
本作に出ていた刑事の真壁と仲田も続いて出るらしい。
最近は社会問題とか政治にも以前より興味が出てきたからこういうところから考えるのもいいかなと思っている。
「希望が死んだ夜に」といい「あの子の殺人計画」といい、 妙にタイトルに惹かれる。なんだか気になる。語呂がいいのかなぁ、うまいなータイトル付け。
「希望が死んだ夜に」はちゃんと登場人物と絡めたタイトルだし、こういう”なぜそのタイトルにしたのか”の意味が分かる作品、好きだわ。
タイトルがオチだったとか、二重三重の意味があったと読み終わってから気づくとか。
それだけでテンションが上がってしまう。